トム・クランシーの小説を初めて読んだのが『千年紀の墓標』で、それから『レインボー・シックス』、『容赦なく』、『日米開戦』、『合衆国崩壊』、『大戦勃発』と読んで、デビュー作の『レッドオクトーバーを追え』を読みました。
トム・クランシーの小説には、どれも現代や近未来的な兵器や科学技術が登場します。これらを覚えたり完全に理解することは、軍事に関する深い知識や興味がないと難しく、私には無理でした。長い名称がアルファベットで表記されていると、よく似た兵器とごちゃごちゃになって、ええいもう!となります。
しかし、気にせず読みすすめても、ストーリーは十分に楽しめます。戦闘の緊迫感や政治的な駆け引き、登場人物の感情などは、兵器や科学技術の詳細が分からなくても、ビシバシ伝わってきます。
読んでみるまでトム・クランシーの小説は、アクション映画のようなドンパチがメインなのかと思っていました。それよりも、国際的な危機やテロの脅威に直面した人間たちの心情をよく書いていて、とても実際的に表現しています。
戦闘シーンはリアルで緊迫感があり、読んでいると気分が高揚してきますが、それが伝えたいことの全てではなく、困難にぶち当たって困惑し、立ち向かう人間の生き様を表現しようとしています。
だから、兵器や科学技術のことが分からなくても、読み終わった後の満足感はとても大きく、長い時間は無駄ではなかったと嬉しくなりました。
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